▼バックナンバーメニュー▼

「月日庵」

茶室を作りました。

事務所の裏にある森にかかるツリーハウスのような隠れ家のような茶室。

最近のボクの求める「心をみがく」場所が作りたかったのです。

最初は「道庵」という名前でイメージしていましたが、それではあまりにも精神的過ぎると。「道」という言葉の持つ意味や深さや、そしてその畏さをおろそかには使えません。

事務所にあるウッドデッキに、友人の林業家から調達した古い地松をふんだんに使い、2階への階段は一抱えもありそうな杉材をチェンソーで刻んで作りました。

茶室を構成する重要な部分の露地はこれで充分です。

待合は2階に。

裏の森から採ってきた蔓と樫の木で手すりを作り、広々としたデッキとは言いませんが、鬱蒼と覆いかぶさる木々の下に杉の丸太でこしらえたベンチ。

そして茶室は4畳ほどですが、天井は部分的には相当低く狭い感じもしますが宇宙的な広がりも感じます。窓は丸く空けられ、ガラスをはめ込みました。古いガラスを探していたのですが工事の流れを止めてしまいそうだったので、あきらめて平滑な現代のガラスを入れました。すると全くその存在感というものが無く、むしろ正解だったかもしれません。

そして月を刳り貫きました。水屋が拵えられなかったので、床の間の対に違い棚兼水屋。そこに月がさしかかるという姿に。

畳にしようかと悩んだ床は、杉の足場材のまま。そのうち夏は籐でも敷こうかと思い小さなテーブルを床の間と同じ素材の樅で作り、椅子は階段を削ったものを利用。

土壁はボクの留守中に左官に頼んでしまっていて、とても素晴らしい出来上がりですがボクの意図するところは全く汲めていません。最初は「・・・」と思ったのですが、まあそれも良いなあ、と考えるうちに狭い空間ながら次はこの部分をこうしてああして、と考えは尽きません。

狭いにじり口は、にじり口というには大きくまあほどほどのものですが扁額を古い欅を削って作りました。

あまりのも粗末な字ですが、まあ当主の書ということで許していただくことにしましょう。さて、ここで「心をみがき」月日が過ぎていくさまを芭蕉のように、旅の支度をしながら考えることにしようと思います。

 

No.048 11/05/09


バックナンバー
No.048 「月日庵」 (2011/05/09)
No.047 「随分、更新を怠りました。」 (2011/03/07)
No.046 「明けましておめでとうございます。」 (2011/01/01)
No.045 「安定した変化や、予測できる変化」 (2010/09/30)
No.044 「FREE DVD MAGAZINE FUTURE 創刊」 (2010/04/21)
No.043 「大阪にて」 (2010/03/25)
No.042 「新構想、動き出した2010年」 (2010/02/08)
No.041 「おかげさまで、20周年」 (2009/11/05)
No.040 「チョモランマから帰還」 (2009/10/27)
No.039 「ジャーナリスト中島祥和さんと」
No.038 「アリ・バタネンVSジャン・トッド」
No.037 「S・マックィーンVSルイス・ハミルトン」
No.036 「西安を考える」
No.035 「砂漠化とブランディング」
No.034 「しばらく、海外です。しかも砂漠のなか。」
No.033 「Je t'aime... moi non plus」
No.032 「ブランディングの神、シャネルニュメルサンク」
No.031 「最後の資源、水」
No.030 「浅草ジンタ」
No.029 「一国二制度?ダブルスタンダード?F1の未来。」
No.028 「62e Festival de Cannes」
No.027 「ぺルルスコーニ、やるねえ。」
No.026 「VWとポルシェ、経営統合へ」
No.025 「高級感や先進性より大事なのは・・・」
No.024 「とあるパーティで。」
No.023 「LIFE>PHONE、iidaのなぜ」
No.022 「Williams aims to sell KERS technology」
No.021 「1万人の女性・・・次世代に輝く10,000の原石」
No.020 「あなたとあう気がするわ。」
No.019 「タンタンに同性愛疑惑浮上!」
No.018 「The Opening of the new Comcast Center in Philadelphia」
No.017 「バカボンのパパが熱い」
No.016 「BASEL WORLD 2009」
No.015 「これで私のライバルはタンタンだけだ」
No.014 「HYDOROGEN + CHUPA CHUPS」
No.013 「Mama Shelter & Philippe Starck」
No.012 「Kilometro Rosso」
No.011 「Luigi Colani Design」
No.010 「Karl Lagerfeld」
No.009 「戦争を取材するよりもほんの少し安全なだけだ。」
No.008 「桃源郷へ・・。そのプロモーション効果は」
No.007 「女王陛下のハミルトン」
No.006 Red Bull Gives You Wings 「レッドブルの戦略」
No.005 「Celebrating Two Decades of Glamour」
No.004 THE FIRST LADY THE WORLD'S BEEN WAITING FOR
No.003 王義之蘭亭序
No.002 44億円のマティス
No.001 教員免許更新
▲ ページの先頭に戻る ▲

Creative Director
山田 徹 Yamada Tetsu 株式会社グローブコンペティション代表取締役

最近(2008年4月)事務所を郊外に移転しました。そこは趣味のラリーマシン製造のために田舎に所有していた鎮守の森の前にある自動車工場を大改造して制作。本来デザイナーの腕としては自信がある?ものの今回は「原則として廃材や貰い物で、作る。図面は引かない!行き当たりばったりで作る」というコンセプト。友人の世界的建築家の有馬裕之氏も「・・・・」と大納得?の新オフィスで、いまだ未完成の部分をどうしようかと悩んでいるようです。その有馬氏は、ここにリエゾンオフィスを置こうかと思案中とのこと。特に表に向けて閉鎖的、裏に向けて開放的!!?な事務所。来る人を阻み、来た人を快適に、が特徴だそう。

1階はベランダ部分が主な打ち合わせスペースですが、目の前はすぐ鬱蒼とした森。ベランダからはすぐに小径があり、鎮守の森の散歩が出来ます。またこの森は特に小鳥が多く、午前中は素晴らしい鳥の鳴き声で至福の時間が得られます。椅子は本人がコレクターだというだけあって、ものすごくたくさんあります。今度はデザイナーや建築家と林業関係者らとのコラボレーションで「木の椅子」を展開するプロジェクトも進んでいます。さらにはツリーハウス・プロジェクトは、都市と中山間の交流促進と、ただの遊び場ほしさの提案が進んでいます。さらに四国八十八カ所にならった?小さな山の中のトレイルを作ろうと考えているようです。

基本的には読書が趣味ですが、1年のうちの半分近くを旅と読書で過ごしています。クリエイティヴディレクター、コピーライター。時々イラストも描きます。環境問題は25年前から積極的だったのですが「最近はヒステリックな温暖化原理主義はいかがか?」と思案中。環境に特化した地域のフリーマガジンを計画中!なのですが、「環境問題はなにが問題なのか」みたいな切り口ではじめたいらしいので、しばらくしたらこのウェブサイトでも事後報告が出来るかもしれません。どうぞこれからもよろしくお願いします。

09/03/03