山田 徹
建築家 / クリエイティヴディレクター
山田は1985年、30歳で独立、設立した会社が「Forum des Arts」という。この時点ですでに「空間芸術」に強い意識をしていたのだろう。特にフランスの文化に傾倒し、レ・アールにあったパリの中央市場『フォーラムデアール』をもじって社名にしていた。レンゾ・ピアノらが手掛けた『ポンピドゥセンター』などに驚き建築デザインにライフワークを見出した。そのあと社名は「グローブコンペティション」として創業以来35年を迎えた。
一方で山田を特筆さるべきは自身の「遊び」の延長にあったモーターサイクルや自動車のラリーへの参加や主催だろう。自らも「パリ-ダカール」「パリ-ケープタウン」「パリ-モスクワ-北京」をはじめこうしたラリーへの参加を重ねた。やがて民主化なったモンゴルで国際ラリーの開催に踏み切るなど自身がプロデュースした国内外のラリーイベントはゆうに150を超える。彼の近著『彼方へ』では、それらの格闘が網羅されていて山田を知るには面白い、また山田の主催する『ゴビデザートマラソン』は6日間で250kmを走破する過酷なステージレースであり、『久万高原ヒルクライムレース』は西日本屈指のハードな自転車イベントでもある。
併せて冒険活動も多く、シルクロードの天山南路を辿り西安からパリへ至る「西安巴里2007」「北京羅馬2008」をはじめタクラマカン横断、西チベット縦断レイド・トレック・チョモランマ2009などを敢行。なかにはBS局の開局記念特番として制作したものもある。
建築家としての近年の活動も目覚ましく、近作としては『ジムニーミュージアム』神奈川県藤沢市。『龍神の別荘』和歌山県田辺市いずれも2018年、飲食店・商業施設も多く『Cafe ChomChom』宮崎県2018年、『IL Banco』『富そば』『Zucchero』『FUNNYS Avant-garde』愛媛県など近作は繁盛店が多い。とにかく彼のデザインした店舗はよく流行るというのが通説。住宅なども多い。
『しまなみ博2000』では『ツールドしまなみ』『美食市』を総合プロデュースし『えひめ街並み博2004』では大洲地区、『ポコペン横丁』『思ひで倉庫』などを手掛けた。博物館などの総合演出や展示装飾の経験も多く、古くはラフォーレの『Art Cafe展』、『住友フォレスターハウス』展示装飾やモニュメント制作『勝山通りストリートフアニチュア計画』『愛媛スゴ技展』『Made in EHIME』『森になった街展』など。現在は愛媛県に「民俗資料館(名称未定)」や「木造芝居小屋」宮城県の「図書館」の計画にも精力的に取り組んでいる。
60歳でセミリタイアを宣言して入学した大学で芸術を学んでいる64歳。